医食同源

医食同源」と言う言葉は、四千年の歴史を持つ中国に伝わるもので、古くは「薬食同源」とも言われ不老長寿の道を深く突き詰めたところに生まれた言葉です。
その意味は「医(薬)も食(食物)も源は同じ」、すなわち薬は健康を保つ上で毎日の食べ物と同じく大切であり、美味しく食べることは薬を飲むのと同様に心身を健やかにしてくれると言う思想です。この考え方は中国文明の基本の所に結びついているのでしょうか、その影響は韓国や日本にも伝わり今日も残っています。

薬と食物が同じものから出来ているのなら、個々の食物にもそれぞれの効能があり、その効能を引き出すのに適した調理方法があると言えます。この考え方に基づいて作られた料理が「薬膳」です。つまり、薬膳には当然、漢方薬(になる食材)を使った料理が多いのですがそれだけではなく、使われる食材が本来持っている効能を十分に引き出し、バランスのとれた食材の組み合わせによって効能を倍加させるように調理・工夫された料理の事も立派な「薬膳」と言えます。
 
料理研究家の辰巳芳子さんのお母さん辰巳浜子さんの本のまえがきに、こんな一節がありました。「食べものは、その人の手で作られ、人の手はその人の心につづいています。誠意と愛情によって作られる食べものは、血となり肉となって生命につながるばかりでなく、その思いの中にもかかわりを持ってゆくものではないでしょうか」

さて私の入退院から我家でもお母さんが食生活を充実させようと日々頑張ってくれています。まもなくピンポン母さんも愛用の御鍋が届くようなので、美味しい物が口に出来そうです。今から楽しみです。